銀行融資の審査は厳しい?金融機関から借りられない場合のファクタリングでの資金調達について

中小企業が資金を調達したい場合に、まず思いつくのが銀行からの融資や日本政策金融公庫からの融資ではないでしょうか。しかしこれらの融資には、審査があります。そのため、自社が審査に通過するのか心配な企業もあるかもしれません。

今回は、銀行や日本政策金融公庫の融資審査でチェックされる部分、そして融資審査に通過しなかった場合はどうすればいいのかについて解説します。

中小企業の資金調達は銀行/日本政策金融公庫が基本

中小企業が資金を調達する際は一般的に銀行や日本政策金融公庫を利用します。銀行や日本政策金融公庫の融資の特徴を確認しておきましょう。

担保や保証人が必要

銀行融資では、ケースによっては担保や保証人を求められることがあります。なぜなら、貸付先の経営が厳しくなり返済が厳しくなった場合の保全とするからです。日本政策金融公庫の融資では、担保・保証人不要の場合もあります。しかし、「商工会議所の推薦がある」「新たに事業を始める人」「新しい技術を生かした事業を始める場合」などが条件です。

資金の使用使途をはっきりさせておく必要がある

融資では、申込時から資金使途をはっきりさせておくことが必要です。特に、日本政策金融公庫の融資には「IT活用促進資金」のように、資金使途が限定される融資制度もあります。

他の融資に比べて調達できる金額が大きい

銀行・日本政策金融公庫融資は、調達できる金額が大きいことも特徴といえます。事業規模によっても異なりますが、数千万円、数億円単位の融資も可能です。また、設備資金の場合は返済までの期間も数十年になる場合もあります。

他の融資と比べて金利が低め

資金調達といえば、ノンバンクなどからの融資もありますが、銀行融資は他の融資に比べると金利が低く設定されています。

他の融資と比べて審査が厳しい

銀行融資は、他の融資と比べて審査が厳しい傾向があります。審査時には、資金使途を確認されるだけでなく、企業の経営状態や返済計画までもチェックされます。

銀行や日本政策金融公庫の融資の特徴をみてきました。中小企業が審査を受ける際には、どのような点がチェックされるのかも確認しておきましょう。

融資までに時間がかかる

特に、不動産担保や保証人が必要であったり新規借入であったりすると審査にも時間がかかります。長い場合は、1~2ヵ月かかることもあるでしょう。急ぎで資金調達をしたい場合は、間に合わない恐れもあります。

参考情報:よくあるご質問 事業を営む方 個人・小規模企業の方(国民生活事業)(日本政策金融公庫)
参考情報:IT活用促進基金(日本政策金融公庫)

中小企業が融資を受けるには

中小企業が融資を受ける際にチェックされる点を詳しくご紹介します。

銀行融資審査でチェックされる部分とは?

銀行や日本政策金融公庫の融資審査でチェックされるのは、主に次の5つのような点です。

決算書の内容

融資審査の際に決算書の提出は必ず求められます。申込時点の財務状況だけでなく、収益性、安全性、将来性、返済能力が総合的に評価され、各金融機関独自の基準により格付される傾向です。格付に問題がないと判断された場合は、融資の可能性が高くなるといっていいでしょう。

また、同じ融資の決定であっても格付ランクの高低によって金利も変化します。当然ですが、ランクが高いほうが金利は低くなる傾向です。

資金使途と返済計画

融資してもらった資金を何に使うかもはっきりさせておかないといけません。「〇市への新規出店のため」「〇〇という機械を購入するため」など、目的を明確にしておきましょう。あわせて、返済計画を示すことも重要です。「返済する資金はどのように捻出するのか」など、資金繰りをしっかりと説明できるようにしてください。

今までの融資実績や返済実績

特に銀行では、今までの融資実績や返済実績も重視されます。そのため、高額の融資を希望する前に少額の融資を繰り返して、返済実績を積み重ねておくことも方法の一つです。

他の金融機関等からの融資

他の金融機関からの融資があれば、そちらもチェックされます。融資を申し込む際は審査に備えて、融資一覧を作成しておくのもいいでしょう。

担保や保証人の価値

銀行融資の場合は、融資の内容によって担保や保証人を求められることもあります。その際は、「提示した担保や保証人が適格か」について調査が行われることが一般的です。なお、担保や保証人がない場合は保証会社を立てることもあるでしょう。

ただし、中小企業庁では「経営者保証に関するガイドライン」を定めており、「経営者の保証なしで融資を受ける際の方法」「個人保証がある場合に債務整理をする際の方法」についての指針が示されています。つまり、「思い切ったチャレンジをしたいけれど、保証人を準備できない」という中小企業の味方となる指針です。ぜひ参考にしてみてください。

銀行や日本政策金融公庫の融資審査で、主にチェックされるのはこのような部分です。ただし審査の結果、融資を断られることもあります。その際の資金調達はどうすればいいのでしょうか。銀行で借りられなかったときの対策についても確認していきましょう。

参考情報:経営者保障に関するガイドライン(中小企業庁)

銀行で借りられなかったときの対応策

銀行融資が利用できなかった場合、別の資金調達方法として注目を集めているのが「ファクタリング」です。ファクタリングを使った資金調達の方法について詳しくご紹介します。

ファクタリングで資金調達

ファクタリングとは売掛債権を現金化する資金調達方法です。売掛債権の現金化はファクタリング会社が行います。

またファクタリングは、取引先にファクタリング利用を通知する「3者間ファクタリング」と、取引先に通知しない「2者間ファクタリング」とに分かれます。ファクタリング会社によってどちらか一方、もしくは両方扱うなどさまざまです。そのため、申込前にきちんと確認しておきましょう。

ファクタリングの長所(強み)

ファクタリングを利用する長所(強み)は主に次の5つがあります。

融資までの期間が早い

銀行融資の場合は申込から審査、融資までの期間は1~2ヵ月かかることもあります。しかしファクタリングの場合は、最短即日という会社もあるほどです。急いで資金調達したい場合は大きな長所(強み)となるでしょう。

銀行融資に比べて提出書類が少ない

銀行融資では、審査時に決算書や返済計画書などさまざまな提出書類が必要です。しかし、ファクタリング審査の必要書類は一般的に銀行融資ほど求められません。例えば、ファクタリング会社のOLTAでは原則として次の書類を提出するだけで審査を受けることが可能です。

  • 本人確認書類(運転免許証・パスポートなど)
  • 昨年度の決算書一式(貸借対照表・損益計算書・勘定科目明細)
  • 入出金明細(保有する全銀行口座の明細直近7ヵ月分)
  • 現金化したい請求書(請求金額・入金日が確定しているもの)

面談が不要なことが多い

ファクタリング会社によって異なりますが、ファクタリングの場合、面談はせずに書類のみで契約を行う会社もあります。面談のための日程調整なども不要です。それだけ入金スピードが早くなります。

ファクタリングにはこれらの長所(強み)がありますが、注意点もあります。主な注意点は次の3つです。

  • 手数料が融資に比べると高くなる場合もある
  • 調達できる金額の上限は売掛債権の額面となる
  • 3者間ファクタリングの場合、取引先にもファクタリング利用を通知する必要がある

この中で特に気を付けないといけない点は、調達できる金額です。銀行や日本政策金融公庫では、資金使途や事業規模によっては数千万円の融資も期待できます。しかしファクタリングの場合は、売掛債権の額面の範囲内での資金調達となります。

この点から、ファクタリングは短期、そして少額の資金調達のときに向いていることがわかります。では、ファクタリング会社の選び方のポイントも確認していきましょう。

ファクタリング会社の選び方

ファクタリング会社は、各社で提供しているサービスの内容が違う部分も多くあります。選ぶ際は、次の4つの点に注目してみてください。

信用できる企業か?

企業や個人事業主向けのファクタリングは貸金業には該当しないため、現段階では許認可や免許は不要です。そのため、似非ファクタリング会社が紛れ込んでいる可能性もあります。必ず信用できる会社かどうかをチェックしましょう。

信用できるかどうかは公式サイトを確認してください。パートナー企業・団体が紹介されているでしょうか。その中に、誰もがよく知る優良企業が入ってるかをチェックしてください。パートナー企業に金融機関があれば信用できるファクタリング会社といえるでしょう。

2者間ファクタリング、3者間ファクタリングどちらになるか?

2者間ファクタリングは、「利用者」「ファクタリング会社」の2者間で行われます。そのため、取引先に知られることはありません。一方で、3者間ファクタリングは取引先の通知が必要です。取引先に知られることなく、ファクタリングを行いたい場合は2者間ファクタリングの会社を選びましょう。

手数料はどのくらいか?

ファクタリングの手数料は、各社で自由に設定することが可能です。そのため、10~20%台の手数料を徴収するところもあれば、2%台の手数料という会社もあります。また、手数料が低い会社であっても、それ以外にかかる費用がないかについてもチェックしてください。例えば、次のような費用は入っていないでしょうか。

  • 着手金・審査料・見積もり費用
  • 契約手数料・事務手数料・システム利用料
  • 出張契約費用

できれば、これらの費用が一切かからず、手数料のみで利用できるファクタリング会社を選びましょう。

ファクタリング実行までの手続きはどうなっているか?

申込みからファクタリング実行までの手続きも各社で異なります。例えば、書類の提出方法一つとっても、郵送、会社へ持参といった会社から、インターネット上のアップロードで提出可能といった会社までさまざまです。提出になるべく時間をかけたくない場合は、オンラインで提出できる会社を選ぶといいでしょう。

また、面談についても、対面での面談必須の会社と対面での面談が不要な会社に分かれます。もし、資金調達までの時間を少しでも短縮したい場合は、対面での面談不要、審査は書類のみで行うという会社を選んでください。

ファクタリング会社は日本中にたくさんあります。サイトなどに掲載されている利用者の声なども参考にしながら、利用する会社を選ぶことをおすすめします。

監修
弁護士・公認会計士 和田雄太

※2021年2月の法律に基づいた記事です。