掛取引と手形 その違いや注意点とは

商取引には、さまざまな形態があります。

現金での取引に始まり、掛取引、手形取引など、商売をしていく上ではさまざまな商取引が行われています。

このような取引の中でも、判りにくいのが掛取引と手形取引の違いです。

この二つの商取引の違いや実際の注意点などについてご説明します。

取引形態の種類

私たちの社会経済は、企業や個人事業主がさまざまな商取引をすることによって成り立っており、それによって経済発展も実現されています。

農家から仕入れられた農産物は、流通経路を通じてスーパーやコンビニ、さらに加工工場などに販売される中で、さまざまな取引が生じているのです。

また、鉄鋼生産工場から機械生産工場や部品工場に原材料が運ばれ、最終製品として消費者にわたる間にも多くの取引が成立しています。

古代には物々交換によって取引が行われていましたが、貨幣、紙幣ができたことにより、現金取引が成立するようになりました。

そして、物流が盛んになるとともに、現金を持ち歩いて決済することにはリスクが生じてくるようになり、相手を信用することによる掛取引が行われるようになったのです。

そして、銀行産業の成立により、当座預金を利用した手形による取引決済も行われるようになっています。

いずれにしても、相手を信用することにより、掛取引も手形取引も成立するようになっているのです。

現代社会において行われている取引形態別にご説明します。

掛取引

掛取引は、商品や材料の仕入をする際に、相手のところに現金を持たずに取引を行うことを言います。

仕入をする側から見た場合は買掛金となり、販売する側から見た場合は売掛金になります。

このように掛取引はその場で現金決済を行いませんので、販売する側にとっては相手を信用して後日代金を受け取ることになる取引になるのです。

逆に仕入をする側にとっては、支払日にまとめて決済することにより、信用を得ることができます。

従って、取引相手を良く知って信用していると言うことが前提になり、初めての取引の場合にはよく相手の信用力を調べた上でないと、成り立たないのです。

しかし、掛取引をすることにより、仕入する側は、毎日多くの現金を持ち歩かずに仕入ができ、一定期間中の仕入をまとめて決済することにより、決済コストも減らすことができます。

また、販売する側も信頼のおける取引相手を持つことにより、安定した経営ができるのです。

現金取引

現金取引は、日本人の個人生活ではまだかなりの部分が現金取引で生活用品、食料品などを購入する取引をしています。

現代では、クレジットカードが普及してまとまった買い物をする場合にはカード決済を使う場合が多くなり、さらに最近ではコンビニなどでもクレジットカードで購入される方も増えています。

しかし、やはり日本人は米国のようにキャッシュレスの生活には慣れておらず、財布にカードと現金を持ち歩く形態が一般的です。

従って、小売店などは現金取引が中心の販売になっているのです。

また、卸売業、製造業などでも、初めて取引する場合には、掛取引はなかなか受けてもらえず、現金取引によって仕入をすることが多くなっています。

一定期間現金取引を続けることにより、相手の信用性を確認して掛取引に移行する場合が多いのです。

また、一方では、現金問屋という言葉があるように、現金取引によって安価で知られることのできる卸売専門の店もあります。

手形取引

手形取引は、中世に銀行業が成立してから、信用力の大きい企業に対して当座預金を前提として手形を発行できるようにしたものです。

元々、小切手から始まり、その先付け小切手から派生したと言われています。

元々日本語の「手形」は、昔は証文などに手形を押したことから始まっています。

それが転じて有価証券の一種としての商業手形の意味に使われるようになったのです。

手形には、約束手形と為替手形がありますが、どちらも一定の先日付で決済を行うものです。

一般には、約束手形が手形取引でよく使われる形であり、手形振出人(買掛決済人)が一定の期日に一定の仕入金額を支払うことを約束する形式の有価証券のことを言います。

銀行が手形振出人の信用力を認めて、手形帳を発行することで可能になっています。

通常は、より信用力の大きい企業や事業主の掛取引の決済手法として用いられているのです。

従って、掛取引そのものは信用が無いとできない取引であり、そこからさらに期日を先に延ばして支払う形になるため、かなりの信用力が無ければできないのです。

掛取引とは

掛取引は、仕入などの際に現金を使わずに、一定の期日までの仕入を後日の一定期日に支払うことを約束して行う取引を言います。

従って、支払は1ヵ月から2ヵ月程度後にならなければ入金されません。

仕入れた商品を、その間に販売することにより、仕入代金を回収して支払うことができるのです。

しかし、商品を販売した側にとっては、販売時点から1~2ヵ月後しか入金がありませんので、その間に販売した商品の代金決済があるため、その間の資金を用意しておく必要があります。

一般的な掛取引の流れ

一般的には、掛取引は、締日が月末の場合であれば、その月間に何度も仕入れた代金をまとめて請求し、次月の15日や、末日に支払ってもらう流れになります。

従って、掛取引は信用のある人に対して行うものであり、入金があるまでの1~2ヵ月は信用リスクを負うことになるのです。

そこで、掛取引を開始するまでは、まず現金取引で様子を見て、一定期間、毎月現金で一定額以上定期的に仕入が継続しているのを確認してから掛取引に応じる形になります。

また、その間に相手の店の状況を確認したり、取引金額が大きい場合には、銀行に問い合わせたり、商工リサーチなどに企業調査を依頼したりして信用度を確認する必要もあります。

そのために信用調査のためのコストも発生することもあるのです。

売掛金・買掛金とは

売掛金と買掛金は、掛取引の会計上の表記を言います。

すなわち、掛取引を販売する側から見たときには売掛金となり、仕入れる側から見たときには買掛金になるのです。

売掛金は流動資産項目として計上され、買掛金は流動負債項目として計上されます。

どちらも毎月の締め日に販売先で集計された請求額に基づき計上され、支払日に決済されるまで計上されるのです。

締め日から支払い日までの設定は、基本的には販売元が設定するのが普通ですが、取引関係の力の差がある場合には、自分に有利な条件で掛取引を行う場合もあります。

掛取引を行う理由

主な掛け取引が行われる理由としては、企業間においては、仕入ごとの現金取引では現金の動きも煩雑で、会計上の処理も多くなるため、信用を構築できれば、掛取引に移行しているのです。

また、掛取引を行うことには、いくつかのメリットがあり、そのために商取引の中に取り入れられています。

すなわち、一つは、仕入のたびに資金を用意して毎月何回も行く必要がなくなることです。

毎月締め日までの仕入をまとめて決済することにより、資金を引き出す手間が省けるとともに事務処理も一回で済むのです。

しかも、現金取引でなければ、電話で仕入をすることもでき、交通費も浮かすことができます。

また、卸売業などの場合には、互いに違う商品を扱っている場合には、同じ取引先で売掛金と買掛金が両建てで発生することがあり、その差額だけの決済で済むこともあるのです。

それによって、余分な資金を動かす必要がなくなり、経理処理も少なくなります。

さらに、売掛期間が仕入期間よりも短かく設定できる場合には、早めに支払代金を用意できるとともに、バーゲン商品などを早めに仕入することにより、より大きく売上を伸ばすことが可能になります。

手形取引とは

手形取引は、銀行の信用を使って、約束手形を発行して、買掛金の支払をさらに先に延ばすことができる取引です。

逆に、手形を受け取れば、それだけ商品代金の入金が遅れることになるため、その間の資金不足が生じる可能性があります。

信用力のある力の強い販売先の場合には、決済日が3~4ヶ月、ひどい場合は台風手形と言って6ヶ月も先になることもあるのです。

そのため、手形になる場合は、実際に納品してから売掛期間も含めて6ヶ月ほどの資金を用意しておく必要があります。

受取手形は裏書譲渡などの資金化が可能

ただ、受け取った手形は裏書譲渡が可能であり、信用のある取引先の手形であれば、決済代金の代わりに裏書譲渡して実質的に資金をねん出することができます。

さらに、取引先が上場企業で信用力が大きければ、銀行が割引してくれるため、資金化は容易です。

しかし、信用力が小さい取引先の受取手形の場合には、かなり審査が厳しくなり、割引料も高く設定されてしまいます。

そのため、手形の信用力が弱く、割引や裏書譲渡が難しい場合には、その間のつなぎ資金を借入するか、自分自身が手形を発行することを検討する必要があるのです。

掛取引と手形取引の違い

掛取引と手形取引の違いは、掛取引の場合は、あくまでも互いの信用によって成立しますが、手形取引の場合は、手形を裏書きして譲渡することができる点です。

基本的には掛取引の場合は、売掛金には流通性はないのです。

掛取引も最近ではファクタリング業者が売掛金を買い取ってくれるケースがありますが、基本的にはほかの業者にその売掛金で支払うということはできません。

但し、互いに売掛金と買掛金を持っている場合には差額での決済は可能です。

手形取引の場合は、裏書譲渡が可能ですが、最終的にどこに手形が行くかはわからないというリスクがあります。

そのために、手形が最終決済されるまではリスクが付きまとうのです。

手形を発行した取引先が倒産した場合、裏書譲渡された手形が知らない間に反社会勢力などに渡っているケースもあり、高い金利を要求されることもありますので、充分に管理しておく必要があります。

掛取引の管理

掛取引の管理は、買掛金の場合には締め日までの仕入代金の合計が請求額と合致しているかを確認するとともに、支払日まで資金確保が必要になります。

一方、売掛金の場合には、販売した商品代金を締め日に集計して請求書を発行することと、入金日までに取引先が金融事故などを起こしていないかを確認していく必要があります。

また、買掛金と売掛金の掛取引期間に差がある場合、特に売掛期間が長くなっている場合には、特に開業当初や大規模取引などではその間のつなぎ資金が必要です。

掛取引の管理の重要性

掛取引はあくまでも、取引先間における信用取引になります。

そのため、その締め日と支払日を管理していくことは資金繰り上非常に大切です。

信用取引という面では、特に売掛金の取引先管理が非常に重要になります。

また、売掛期間と買掛期間に差がある場合には、資金繰り管理を綿密に行い、いつ資金不足が生じても良いようにすぐに資金を用立てできる手段を用意しておく必要があるのです。

ここでは、資金繰り管理は別にして、掛取引そのためのものの管理についてみてみることにします。

掛取引の管理方法

基本的には、掛取引をしている取引先別に管理台帳を作る必要があります。

特に、売掛の生じる取引先別に販売量、金額を管理できる台帳を作る必要があります。

それによって、締め日には簡単に集計ができ、請求書の発行も容易です。

また、締め切った後の取引状況も管理でき、急に取引量が減ったり、異常に増えた場合には取引先の再調査が必要です。

支払日が過ぎても入金になっていない場合には、そのままにしておきますと、未収のままに長期間が経過してしまうこともあります。

支払日に入金のない取引先がすぐにわかるようにしておいてください。

買掛先についても仕入台帳を作って、仕入ごとの量と金額を管理していくことにより、請求書が来た時に金額チェックが簡単にできます。

さらに、買掛金の場合には、支払日ごとの管理台帳も必要になります。

取引先ごとの支払日をきちんと管理することが、資金繰り上で不可欠ですし、相手に対する信用にもつながります。

掛取引を管理する上での注意点

掛取引は、信用によって成り立っているため、リスク管理が一番肝要です。

特に、売上上位10社程度については、常に販売量の増減、支払い状況を台帳によって管理してすぐに変化を捉えられるようにするとともに、異常な動きが見えた時には、取引先の状況を再調査する必要があります。

取引先の店舗の状況や周辺での聞き取り調査を行ったり、取引量が多い場合には、コストがかかっても調査会社を使って実態を調べる必要があります。

また、全体の取引の中における掛取引のウエートを考えておくことも必要です。

売掛取引が多くなり過ぎた場合には、それだけリスクを抱えなければならない金額が増加することを意味しますので、自社の資金繰りの中で耐えられる基準を作って、それ以上は掛売をしないようにする必要があります。

いずれにしても、掛取引は信用取引なだけに、そのリスク管理するためのコストは必ずかかるものと考えておく必要があります。

まとめ

商取引においてよく用いられている掛取引と手形取引の違いを中心にご説明しました。

どちらも信用を前提とした取引になり、その管理を充分に行う必要があります。

取引量が多い場合は、変化の兆候が見られる場合には、コストを要しても再調査をしてリスク管理をしていく必要があるのです。

それによって、常に大きな損失を被らずに会社を発展させていくことができます。

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