中小企業が直面する副業問題と対策事例まとめ

政府は今「働き方改革」を推進しています。

残業代ゼロ法案とか大企業が残業代を払わなくするための大企業のための法案とも言われていますが、実際には働き方改革とはそのような短絡的な意味ではありません。

これまでの日本の労働市場は従業員皆が定時に出社して定時まで働き、時間が足りないなら残業というのが当たり前でした。

しかし人口が減少する今後の日本において、そのような時間で働き時間で報酬を得る働き方をしていたら人手不足は解消できません。

このため時間ではなく生産性で従業員が報酬を得られる働き方が働き方改革なのです。

政府は残業代がなくなる代わりに副業を推奨しています。

また残業代という金銭面だけでなく、副業推進にはさまざまなメリットがあるのですが、実際に人手不足が深刻な企業ほど副業が広がっていないのが現実です。

副業にはどのようなメリットがあり、副業が広がらない原因はどこにあるのでしょうか?

この記事では副業による企業や社会への影響や副業を解禁した企業の紹介などをしていきます。

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1 政府の副業の推進の狙い

政府が副業を推進しているのは、単に働き方改革によって会社員が残業代を奪われてしまうことに対する補填だけではありません。

副業を解禁することによって生産性が高まり、会社員ひとりひとりのキャリアが高まり、そこから日本経済全体の力が高まることを期待しているのです。

1 経済市場活性化

優秀な人材が1つの会社に縛られずに複数の企業で活躍できるようになれば、その企業の収益力が高まり自ずと経済市場は活性化することができます。

さらにこれまでのように、定時から定時まで働くという働き方は基本的には戦後の製造業などの単純労働に適した働き方とも言えるでしょう。

しかしこのような単純な働き方が有効な仕事は、東南アジアを始めとした途上国に奪われつつあります。

今後人口が減少する日本においては、ひとりひとりの能力を高め、時間ではなく生産性を重視し、個性と能力がある従業員がイノベーションを起こしていく必要があります。

そのためにも1人の従業員を時間で1つの会社に縛りつけておくのではなく、副業を解禁し従業員の個の能力を高めていくということが非常に重要になるのです。

2 労働市場の流動化

この記事を読んでいる方が勤務している会社の中には、ロクに仕事をしていないのにずっと給料をもらい、勤続年数が長いというだけで出世し高給を得ている人はいないでしょうか?

これまでの日本の労働法制の最大の問題点の1つとされてきたのがこの点で、一度雇用してしまうと会社にとって不要な人材でも解雇することが実質的にほぼ不可能ということでした。

それは結果として優秀な人材に十分な給料を渡すことができず、生産性が低くなり、企業の経営力の低下にもつながります。

しかし副業を解禁し、働く人が複数の企業から報酬をもらうことができれば、従業員は時間ではなく生産性を重視して働くことになります。

優秀な人材は同じ労働時間で複数の企業をまたいで1人で数人分もの仕事ができ、数人分の給料を得ることができるようになります。

副業を解禁することによって、人手不足の日本で労働市場が流動化して、結果として日本経済全体にプラスに寄与することが期待できるのです。

さらに副業によって働く人1人あたりの所得が増えれば可処分所得(自由に使えるお金)が増え、個人消費が伸びて景気に寄与するということも期待されています。

1 中小企業に副業が広がらない理由

以上のような理由から政府は副業を推奨しています。

しかし人手不足が深刻化している中小企業ほど副業に反対している傾向が強く残っています。

細かな理由に関しては後述しますが、やはり大きな理由としては日本的な経営慣習である終身雇用の下、よそ見をせずに会社に尽くしてほしいという感情的な側面が大きいように思います。

また小さな企業ほど「従業員は家族」というような古き良き日本の習慣が残っているため、副業は企業規模が小さくなるほど広がっていないというのが現実です。

2 約8割の中小企業が副業反対

2014年に中小企業庁が実施した調査によれば、会社の就業規則において「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」と記載されている企業は実に85.3%にものぼっています。

本来、大企業よりも人手不足が深刻なはずの中小企業のうち実に8割以上の企業が副業に反対しているというのが現実なのです。

3 副業許可の弊害

実際のところ、副業を許可してしまうことには企業にもリスクがあります。

副業を許可してしまうことによって、これまで多額のコストをかけて育てた会社の優秀な人材が社外に流出してしまう可能性があります。

さらにそれだけでなく、会社全体に副業解禁によって悪影響を及ぼす可能性が他にもあるのです。

副業解禁による主なリスクとして以下の3つを挙げることができます。

小さな企業ほどリスクは取れないため、中小企業は以下のリスクを恐れて副業を禁止しているのでしょう。

1 機密情報漏洩の恐れ

従業員の副業を認めることによって、本来であれば社外に流出する筈のない技術や情報などが社外に流出する可能性は非常に高くなります。

特に製造業などでは、自社で得た技術を売りにして服を行う可能性が高いため、会社の機密情報が社外に流出する可能性はかなり高いと言えるでしょう。

2 本業への影響

副業に肩入れするあまり本業が疎かになる可能性も否定できません。

さらにこれまでであれば給与や賞与に直結した人事評価も、副業で収入があるからと言って、従業員が気にしないようになってしまえば会社のガバナンスが難しくなる可能性も否定できません。

3 社会保険費のコスト増大

2016年10月以降、アルバイトやパートに人でも以下の条件を満たす人は社会保険への加入が義務付けられました。

①1週間の所定労働時間および1ヶ月の所定労働日数が常時雇用者の4分の3以上

②次の5つの要件をすべて満たす人
・週の所定労働時間が20時間以上あること
・雇用期間が1年以上見込まれること
・賃金の月額が8.8万円以上であること
・学生でないこと
・常時501人以上の企業

自社が従業員の副業を認めるということは、自社も他社で本業を持っている人の副業を認める可能性が高くなります。

副業によって労働市場が流動化すれば、その分だけ社外全体の社会保険料が大きくなり、会社が負担する社会保険料も大きくなるというデメリットがあるのです。

4 副業のための対策

「副業解禁にはリスクが高い」業種によってはそのような企業も多いでしょう。

しかし副業解禁は時代の流れで、リスクだけでなくメリットも多数あります。

そのような企業はまずは自社の体制を副業解禁してもリスクが低くなるよう変革してから副業解禁に踏み切ってみてはいかがでしょうか?

副業のために会社が取るべき対策として以下の3つの方法を挙げることができます。

1 就業規則の見直し

まずは兼業や副業禁止という就業規則を見直しましょう。

この規則があるうちは従業員は副業ができないため、副業を希望する優秀な人材を確保できないばかりか、より自由度の高い会社へ従業員が流出してしまうリスクもあります。

また就業規則の見直しで最も重要な点として、守秘義務についてしっかりと明確にしておくことが副業解禁にあたっては非常に重要になります。

会社の機密情報漏洩ルートの大半は従業員からという統計もあります。

2 競業避止義務の徹底

競業避止義務とは、本業の会社と競う関係のある企業に就職してはならないという決まりです。

従業員に副業を認めた結果として競合他社に就職してしまい結果的に自社の利益を脅かしてしまったら本末転倒になってしまうため、この点も明確に徹底しておきましょう。

3 成果の査定方法見直し

時間ではなく生産性で評価するなど、人事査定の方法も副業解禁に合わせたものに見直しすることも重要になります。

5 対策事例

さらに具体的に副業解禁のための対策としては、以下の2つの方法は参考になるのではないでしょうか?

本業を疎かにすることなく副業を解禁することができますし、従業員の報酬面・キャリア面で副業から得られるメリットを会社も得ることができるかもしれません。

1 就業時間内に月20時間内の副業

月20時間であれば社会保険加入の義務はありません。

社会保険の負担の少ない範囲内で副業を認めることで本業にも影響を与えることなく、社会保険料の負担増にもなりません。

2 休日・終業後の副業を許可

本業は本業としてしっかりと仕事をしてもらい、休日や就業後は他でお金を稼いでもいいという副業の解禁方法です。

働き方改革によって減少した残業代を埋めるためにはこの方法が最も簡単で導入しやすいやり方ではないでしょうか。

6 副業解禁企業例

今や副業解禁は社会的に大きなトレンドになりつつあります。

中小企業の大多数が副業解禁反対ですが、誰もがよく知る超大手企業も副業解禁へと舵を切っています。

最後に副業解禁の主な事例を3社ご紹介します。

1 日産自動車

日産自動車は、不況時に工場生産調整による減産で生じた臨時休業日に限って副業を行う内容を会社に届け出ることを条件に、勤務時間が8時間以内である場合に限って副業を容認しています。

これは働き方改革の以前2009年から始まっている取り組みです。

2 ソフトバンク

ソフトバンクは2017年11月から副業原則禁止という社内ルールを撤廃し、許可制で副業を認めています。

狙いとして、ソフトバンクは「自己成長につなげる」ことや「副業での経験を本業に還元させるため」としています。

許可の基準は「本業に影響を与えないこと」と「本人のスキルアップや自己成長につながること」となっており、2018年3月末までに214件の副業申請が承認されているとのことです。

3 新生銀行

銀行として初めて副業を容認したのが新生銀行です。

新生銀行は従業員の副業や兼業を2018年4月から解禁すると発表しています。

外部の知見や経験を身に着けたいという従業員の要望に応じたもので、本業への活用が期待でき、柔軟な働き方を認めることで優秀な人材の獲得や流出防止につながることも期待できるとのことです。

結論

副業を解禁することには確かに企業にとってリスクがあります。

しかし、時代の流れと人手不足の中、従業員を1つの会社に縛りつけておくことでむしろ優秀な人材が流出する可能性もあります。

副業解禁はうまく行けば優秀な人材確保と人件費削減、生産性の向上を図ることができます。

リスクは会社の内規をしっかりと見直すことで防ぐことも可能です。

自社でも働き方改革を実践したいという経営者の方はまずは自社の就業規定などを副業に見合ったものに変えてみてはいかがでしょう?

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